Carefree Life

日々の出来事を、細々と不定期に。

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sin雪

Author:sin雪
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いえ、なんでもないです。

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GUN LIFE Ⅸ

 カランカラン
 客が入ってくる音だ。ここギルドは依頼仕事を提供する場所である。依頼とあって、やはり時間を問わずくるわけである。つまりは、休みなし。なんでこんなハードな仕事を選んだんだかなと、定時に店を閉めている店主を羨ましく思う。
 「いらっしゃい。」
 などと考えつつも、書類を整理する手は休めない。慣れとは恐ろしいものだ。今では3つのことを同時にこなせてしまう。
 「こんばんは、おっさん。」
 「誰がおっさんだ。お兄さんと呼べ、まだ30代だバカヤロウ。」
 書類をまとめながら、入ってきた客を見ないで返事をする。俺のことをおっさんなどと、呼んでくるやつは1人しかいない。
 「毎日大変だね、休みなしっていうのも。」
 「そう思うなら、依頼受けにくるな。酒飲むな。お金を大事にしろ、シロウ。」
 シロウと呼ばれた男は苦笑いをし、乾いた笑いをあげる。
 「仕事減らしてあげようと、きてあげたんじゃないか。」
 「わかった、ほれ迷子犬の捜索、300Bだ。いってこい。」
 「ごめんなさい・・・。」
 この男がくると毎回こんな感じでふざけ合う。反応がよく、いい息抜きになっていることは秘密だが。
 「で、今日は?」
 「依頼を受ける以外ないだろう・・・。」
 「まぁ、そうだな。ちょっと待ってろ。」
 まとめた書類をペラペラと捲りながら、いい依頼がないか調べる。この男は腕は確かで並の奴じゃ歯が立たないと踏んでいる。それに見合った依頼を探すというのも、難しいものだ。
 「お前さんにちょうどいい依頼は・・・。今のとこないな。どれも楽なやつばかりだな。」
 書類をポイッと机の上に放り出し、男のほうを向く。いつ見ても、珍しく綺麗な黒髪を持ち、感じ爽やかでお洒落に無頓着な優男だ。
「ちゃんと仕事してるんですか・・・。毎回依頼ないよね。」
「腕のいい奴に、簡単な依頼頼んでもだめだろうに。そういうのは、これから伸びてくるやつらに頼んで経験積んでもらうんだ。」
「へぇ、ちゃんと考えてるんだね。」
「この仕事も長いからな。とりあえず、歯を食いしばれ、歯を。」
 額を押さえながら呻いている男を尻目に、新たな書類の整理を始める。痛みから回復した黒髪の男は、周りを見渡し、帰るのかと思いきや、ソファーに座る。
「・・・帰らないのか?」
「おっさんが1人じゃ寂しいだろうから、もうちょっといようかと。」
「わかったわかった、それじゃ紅茶を入れてくれ。」
 しばらく聞こえない振りをしていたが、自分も飲みたくなったのだろう。渋々とキッチンに向かっていく。
 カランカラン
 また客が来たらしい、整理を止め客を見る。高級な衣服を身にまとい、洒落た帽子を被っている50代くらいの男性だった。
「いらっしゃいませ。今日はどのようなご用件で。」
 営業用のセリフを言い、相手の出方を待つ。すると、老人は懐から1枚の封筒を取り出した。
「依頼を頼みたくて、参りました。お読みください。」
 紅茶を入れにいっていたシロウが、3つのカップを持って戻ってきた。お客が来たのに気づき、持ってきたのだろう。気が利く奴だ。
「いらっしゃいませ、どうぞお座りになって楽にしてください。」
「お前はいつから、店員になった。」
「まぁ、いいじゃない。」
「ありがとうございます。それでは、お言葉に甘えて。」
 老人のあいてはシロウにまかせ、俺は受け取った封筒を開ける。中には折りたたまれた紙が1枚。目を通すと、ありえないものが目に入る。
「これは・・・。」
「どうかしたのか?おっさん。」
 俺が驚いたのに、興味を覚えこっちに向かってくる。そして後ろから書類を覗く。
「この印って・・・王室の・・・?」
「左様でございます。実は最近ライアドで良くない情報が流れてきまして。簡単にしか調べていないのですが、無視できないものであることがわかりました。何か手を打たなくてはと思ったのですが。しかし、これ以上の調査は気づかれてしまうと、あまり公にはしたくなく、思うように動けないのです。それで、評判の良いこのギルドに依頼をしようという決断に。」
「なるほど・・・。しかし、このギルドが良いのではなくて、依頼を受けた人がいいんですけどね。」
「それで、どんな依頼なんだ?」
 黒髪の男が質問をしながら、書類を俺から奪い見る。
「見るんだったら、聞くな。」
「まぁまぁ。ふーん、闇か。やっぱりどこの国も同じ事あるんだな。」
「そういう事だ。」
「それで、お受けしてくださるでしょうか。」
 俺は少し考える。報酬の額を見る、10万Bとそこらへんの依頼よりかなりの高額だ。つまりは、それだけ危険な依頼であるとも言える。誰にでも頼めるものではないし、受ける側も躊躇するだろう。と、考えた時ふと、思いついた。
「わかりました、お受けします。おい、シロウ。」
「ん?」
「お前が受けろ。」
「は?」
「ほれ、報酬10万Bだろ。美味い酒飲み放題だぞ。」
「じゅ、10万B?すごいな。美味しい依頼じゃなくて、もう本当危険な依頼って額じゃないか。」
書類の報酬のところを見ながら、シロウは悩んでいる。命を取るか、金を取るか。しかし、こいつなら充分成功できるだろうと、俺は思っている。
「さすがに1人じゃムリだろうから。腕の良い仲間・・・そうだな、あまり大勢でも目立つから3~4人程集めてくれ。」
「拒否権はなしですか。」
「お前ぐらいしか、いないんだよ。他の腕の良い奴らはちょうど別の依頼でライアドから出て行ってるからな。」

・・・・・・
・・・
・・


ギルドを出て空を見る。目に映るのは綺麗な月の姿。あの後話を続けて、結局俺は依頼を受ける事にした。かなり危険な依頼ではあるが、おっさんが大丈夫と言うからには大丈夫なのだろう。その点においては、信頼している。
「さてさて、どうしたもんかね。」
 手で髪、闇に溶け込んでいる黒髪を掻く。受けてしまったものはしょうがない。後はやり抜くだけである。それに少しは楽しみだった。
「それじゃ、お仲間を探しに行きますか。」
 これから危険な依頼に身を投じる男は、そんなことどうでもいいこと、いった風に鼻歌を歌いながら街を歩いていった。

静寂が包んでいる街に、チンッと1度だけ金属音が響く・・・。




 -To be continued-

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GUN LIFE Ⅷ

「ふぅ・・・。マスターもう一杯お願い。」
 すでに日は落ちている。東の街ルイーは昼の賑やかさはなく、闇と静寂が街を包んでいる。ルイーの宿の近くにあるバーは、ライアドのバーとは違い落ち着いた感じでインテリアなども凝っている。バックではクラシックの曲が流れており、とても良い雰囲気である。
 そのカウンターの一席に、腰まである赤く綺麗な髪を持ち、それを強調するような新調したであろうシャツとパンツを着ている美人とも可愛らしいともいえる女性が座っている。
「はい、どうぞ。」
 眼鏡をかけ、落ち着いた物腰の40代くらいであろうマスターが、カクテルを注いだグラスを女の前に置く。
「ありがとう。」
 グラスを受け取り、一口飲む。そして、辺りを見回しながらマスターに私は話しかける。
「・・・とても素敵な雰囲気のバーね。騒がしいのもいいけど、たまにはこういう所で落ち着いて飲むお酒も美味しいわ。」
 マスターはそれを聞いて、にっこりと笑う。
「気に入ってくださったようで、光栄でございます。私もこの歳ですので、騒がしいのは中々・・・苦手になってましてね。」
 ははは、と苦笑し続ける。
「この店には、若いお客様はあまりいらっしゃらないので、あなたみたいな若くて美しい女性にそう言っていただけると、嬉しくなります。」
「お上手ね、マスター。」
 クスクスと、口に手を当てて私は笑う。マスターも優しく微笑む。
「そんな事言うと、ここに通いたくなるわ。」
「ぜひ、ごひいきに。」
 礼をするマスターを見て、私はさらに笑う。
「おや、失礼。お酒が切れたみたいなので、倉庫に取りに行ってきますね。」
 と言い、ドアを開け奥へとマスターは入っていった。話す相手がいなくなった私は、一口また一口とカクテルを口にする。
「ふぅ・・・少し酔ってきたわね。」
 元々お酒はそんなに強くない。でも、このほろ酔いするぐらいが、気分がよくて好きである。頬杖をつき、しばらくボーッとする。ふと、左手に目がいく。そこには、包帯が軽く巻かれておりその容姿には似合っていない。少し前に、依ライアドからルイーまでの荷物移送の依頼を受けた時に、受けた傷である。もう痛みはなく、完治しているだろう。
「あの時は、本当油断したわねぇ・・・。」
 街道を移動している最中に盗賊に襲われた。正直、私1人では命が危なかっただろう。依頼を一緒に受けた男。黒髪で異国の剣、たしか刀と言ってたっけ。それを持った呆れた強さの男。
「シロウだったっけ。本当、変な人。刀で銃弾弾いたりなんて、普通できないわよ。」
 別れてから2週間ちょっと、会ってはいない。多分、ライアドを拠点にしてると言っていたから、戻ったのだろう。私は、衣服など欲しいものがあったので、しばらくルイーに滞在している。
「それにしても、名前を他人に教えたのは久しぶりだったわ。」
 私はあまり知人はいない。一人が好きというわけではないのだが、一度会ってそれっきりという事が多く、正直意味のない事だと思っていた。実際、出発する前はそんな事を言ったりしたし、それが自ら墓穴を掘ることになったのだが。
「うーん、珍しい事もあるものね。」
 私はカクテルを飲み干すと、カウンターのテーブルの上で指をクルクルと回し円を描く。意味はないのだが、気づくとやってしまう。ドアからマスターが戻ってくる。私のカラのグラスを見て
「お待たせしました。もう一杯いきますか?」
 聞いてくる。私はどうしようかと少し考える。時計を見るともういい時間なのに気づく。
「もうやめとくわ。時間もちょうどいいし。」
「そうですか、ありがとうございます。また気が向いたらお越しください。」
 微笑ながら、礼をし言ってきた。
「えぇ、またルイーにきたらぜひ寄らせてもらいます。」
 お金をテーブルに置き、私はマスターに手を振り入り口のドアを開ける。外は相変わらず静かであり、月の光や街灯により綺麗な景色を見せる。
「それじゃ。」
「はい、お気をつけて。良い夢を。」
 外に出て、宿に向かって歩いていく。ふと空を見上げると、月が綺麗にその姿を輝かせている。目を閉じ、ほどよい涼しさの風を受ける。
「・・・良い夜。」
 風を受け、ほろ酔い気分も収まってきた。今後の予定をどうするか、宿に向かいながら考える。
「買いたいものも買ったし、そろそろ戻ろうかしらね。」
 宿の前に着く。ふと気づき、包帯が巻かれている左腕を見る。少し考え、私は包帯を解いてみる。思った通り、傷はすでに完治していた。元に戻った左手を見ながら、私は宿に入ろうとドアを開けた。その時
「あ・・・。」
 ビュウっと強い風が吹き、軽く握っていた解いた包帯が手から離れていく。

 夜の空にゆらりと舞う真っ白な包帯
 赤髪の女は目を細めてそれを見る
 明日に向かう中央都市
 可笑しな黒髪の人とは出会えるのだろうか
 きっと、ひょっこりくるのだろう
 そんな気がする。

「良い夢が見れそうね・・・。」


 -To be continued-
 

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GUN LIFE Ⅶ

 日が沈みかけ、夕日がこの地を照らしている。中央都市ライアドももちろんそれに入っており、赤く染まった昼とは違う幻想的な風景を一時の間見せてくれる。そんな中、2人が街に入ってくる。1人は背は小さめで、肩口まである金色の髪を持つ、目のぱっちりとした少女。もう一人は、帽子を深く被り、紺色のコートを纏った男である。
「ふぅ、ようやく着いたな。」
「ほんと、やっとね・・・。」
 綺麗な景色に目もくれず、トボトボと歩いている。
「とりあえずギルドへの報告は明日にして、宿をとろうか。今日はもう何もやる気起きん。」
「賛成~・・・。」
 一日と半日の旅路で、体力は尽きているようであり、力のない反応が返ってくる。俺は帽子を少し上げ、額の汗を腕で拭い、少女、アトに話しかける。
「よーし、それじゃさっさと部屋取って美味い飯でも食べに行くか。いいところ知ってんだよ。バーなんだけど、俺がついてればアトも平気だろう。」
「さっさと行こう、お腹空いちゃった。夕飯夕飯、美味い飯っ!レンドさん、早くしないと、置いてくよー。」
 美味い飯に反応し、彼女は今まで疲れきっていたのが嘘のように、元気に小走りで宿に向かっていった。
 腕は確かで、そこらへんにいる者よりは数段上なのだが、中身はやはり歳相応らしい。俺は苦笑し
「わかったから、まてって。そんな急ぐとコケるぞ。」
 いつのまにかスキップをしている彼女の後についていく。
「大丈夫大丈夫、そんな子供みたいなことしないわよ。」
 こちらを、後ろを見ながら宿に向かって走る。入り口付近に差し掛かった頃、宿のドアが開き中から人影が出てきた。もちろんアトからは見えていない。俺が止めるのも間に合わず、出てきた人影とぶつかった。
「きゃっ。」
「おっと。」
 不意にぶつかった衝撃でアトはよろける。中から出てきた人影がそれを支える。言った先からやってくれるとは。俺は小走りで近づいていき、2人に向かって言った。
「全く、だから気をつけろって。すいません、こちらの不注意で。」
「いや、俺も前を見てなかったよ。すまなかった。大丈夫かい?お譲ちゃん。」
 近づいて見ると、出てきた人影は、この国では見ない黒色の髪を持ち、見た目爽やかな感じの男であった。黒髪の男は、身を屈め少女の頭を撫でながら言う。
「む・・・。子供扱いしないでよね。こう見えても16歳なんだから!」
 自分に非があるのを感じさせないで言い、アトは男の手を振り払う。男は驚き目を丸くしている。が、すぐクスクスと笑い出した。
「これは失礼。気の強い綺麗なお嬢さん。でも、後ろを見ながら走るのは危ないと思うよ。」
「全く、その人の言う通りだ。アト、謝っとけ。」
「むー。わかったわよ。ごめんなさい。」
 何か反論でもするのかと思ったが、素直に謝る。それを見た俺と黒髪の男は、お互いの顔を見やり笑い出した。何が可笑しいのか、少女はわからず2人を睨んだが、見なかったことにしておく。
「いえいえ、次はぶつかることのないように。それじゃ、俺は行くよ。時間とらせちゃったみたいで、すまなかったね。」
「いや、こちらこそ。」
 大袈裟に礼をすると、男は手を振りながら、街の中へ歩き消えていった。
「さて、それじゃ部屋さっさと取ろうか。後ろ向いて人にぶつかるなよ。」
「もうっ!悪かったって言ってるじゃない。」
 アトは頬を膨らませ、プイッとそっぽ向きドタドタと宿の中へ入っていった。俺は苦笑する。
 「・・・ヤレヤレ。」
 と、言いつつも少しにやけた顔で、ご立腹な彼女の後に続く。


 -To be continued-

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GUN LIFE Ⅵ

 夢を見ていた。忘れようとしているのに、忘れられない昔の出来事。 大切なものを失う夢。無数の矢の雨、次々と倒れていく仲間達。運良く逃れた者も、ある者は鋼の刃に、ある者は何本もの槍に体を貫かれる。私を守ろうと、仲間達が前に立ち塞がり、鉄の雨を、刃の嵐をその身に。私はただ倒れていく仲間達を見ることしかできなかった。
 仲間の一人は逃げろと言う。私達はどうなろうとも、あなただけは逃げ延びなければならないと。お前達を置いて逃げられるものか。
 しかし、私は逃げ出した。目から涙を流し、後ろを何度も振り返りながら、ひたすら走った。このときほど、己の無力さを怨んだことはない。仲間達は・・・笑っていた。今宵で命が終わりということを理解しながら・・・ただただ笑っていた。その笑みに後悔はなく、自らの、今やるべきことを、信念を。
 だから・・・私は・・・逃げた。今やるべきこと、それは彼らの守るべきものを守るため。彼らの信念を貫き通すため。生き延びるため・・・!
 この地に私の大切なモノは何もなく、大切な人ももはやない。
 されど、想いはこの地にあふれ。故に己を呪う。
 
 私は死んだ。しかし、仲間が私を生かし、生きろと言った。
 この命、既に己のモノではなく、されど己のモノ也。
 故ニ、私ハ生キル。生ヲ、人生ヲ、新タナ道ヲ。
 コノ私ノ命、誰ニモ屠ラセハシナイト。
 

 私ハ、私ハ必ズ生キルノダ。コノ命、自ラデ尽キルマデ。

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 夢を見ていた。忘れかけていた、でも、忘れてはいけない夢。
 失った夢。大切なものを。生きる事を。全てを。
 目の前には、息を引き取った人とは言えない人。私の大切だった人。しかし、それは最早ソレではなく、ただそこに転がるモノ。
 私は涙を流した。声をかけても、返事はなく。触ってみても、ただ冷たさを与えるのみ。響き渡るは私の声のみ。あるのは、私だけ。
 己の無力さに、悔やみ涙し、嘆き叫ぶ。
 けれども、何も戻るわけではない。返ってくるのは、私の声。
 それでも、私は続ける。

 私は死んだ。己の意思で、自ら殺した。
 けれども、私はいる。ここにいる。
 自ら消した生と別れを告げ
 自ら生んだ生を歩む。
 新しい道の行き止まりまで、私は行かなくてはならない。
 自ら消し生み出した命を、私は見届けなければならない。
 最後まで・・・。

 だから、私は生きる。尽きるまで、行き続ける。
 誰にもソレを邪魔をさせない。

---------- 

「・・・ん。」
 目を開けると、そこは木の壁。いつもの安い宿の天井が広がっている。辺りを見回すが、いつもと変わりはない。
「久しぶりに見たな・・・。」
 それは昔の夢。悲しい、哀しい昔の話。
「うーん、今日もいい天気だな。依頼日和ってやつかな。」
 窓を開け放つ。日の光が部屋に差し込み、思わず目を閉じる。ベッドに戻り、置いてある水を一口飲み、フゥっと一息つく。
「・・・さて、今日も稼ぎに行くか。」
 服を着替え、愛銃と刀を持つ。
「仕事帰りの一杯が楽しみだなぁ。」
 笑いながら、ドアを開け
 今日を生きるために、一歩踏み出す。

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「・・・ぅん・・・。」
 気がつけば、枕が目の前にある。ベッドでうつ伏せに寝ていた。依頼が終わってからベッドで横になり、そのまま寝てしまったようだ。
「久々に見たわね・・・。」
 遠い昔の夢。
「そんなに昔でもないわね。私まだ若いし。」
 苦笑し、顔を洗いにいく。鏡を見ながら、自慢の赤い髪を梳かす。怪我を負った左手が少し痛むが、それほど気にならないぐらいにまでになった。
「今日はどうしようかしらね・・・。」
 梳かしながら、計画を立てる。が、何も思い付かない。寝起きなので、まだ少し頭がボーッとしているためだろう。
「まずは・・・頭を起こしにコーヒーでも飲みに行こうかな。」
 服を着替え、大型の愛銃をとる。
 ドアを開け、外に出る。
「んー、今日もいい天気ねぇ。」
 日の眩しさに目を閉じ、気持ちよい風に吹かれながら
 私は今日も、今日を歩き出す。

 -To be continued-

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GUN LIFE Ⅴ

 この国は、中央に位置する都市、ライアドを中心に東西南北にそれぞれ街がある。東はルイー、衣服関係の産業・技術が発達しており、様々な色鮮やかなものが数多くそろえられている。北はステイシア、多くの鉱山があり、鉱石発掘、製鉄技術、武器開発などの技術が発達している街である。そして南はトリポス、港がありそれを拠点とし、自国の生産物などを他国と交易を行っている。様々な国の生産物が数多く売られており、また異国の人が多く滞在しており、交流の場として賑わっている。そして、西の町リトアス、この国は山と海に囲まれており陸地から入るには唯一の入り口である。隣国の文化も少し取り入れられ、他の街とは少し雰囲気が違う。また、旅人などの滞在者が多く、様々な情報がここでは手に入る。情報の街という名がつけられている。
 その西の街トリアスの中心にある広場がある。中央には噴水があり、広場の周りは緑が溢れており休息の場として人気がある。その広場に設置されているベンチの1つに、目を引くものがある。
 1人が座っている。歳は若く17といったところだろうか、背は小さめであり、金色の肩口まである髪を持ち、目が大きくパッチリしている可愛らしい少女である。見る限り、ただの美少女なのだが、しかし、その手に持っているものがさらに、目を引く原因になっているのだろう。
 手には、その容姿には全く似合わない、ゴツゴツしたトランクを持っている。しかも、形がおかしく、縦は短く、横が異様に長い。細長い形の変わったトランクなのである。その形状からして、あまり便利とはいえない。旅行中なのか、しかしあれでは特定の荷物しか入れられないだろう。
 少女はベンチに腰掛け、ボーッとしながら空を見上げている。その姿、様子は神秘的であり、見るものの足を止めさせてしまう程であった。が、少女の方は、全く気にせず、ただただ物思いにふけ、上を見ているのであった。
 傍から見るその可憐な様子とは、全く違う事を考えているなど、誰がわかるであろうか。
 そう、彼女は退屈していた。
(何か面白いことはないかしら・・・。それか、怪しい依頼とか。)
などと、物騒なコトを考えながら、私は視線を戻し、中央の噴水に向ける。すると、向こうから見知った顔がこちらに気づき、歩いてくる。
「よっ、アト。暇そうな顔してんな。」
 アトとは私の名前だ。正確にはアトライル・フェリシェというが。
 声をかけてきたのは、帽子を目深に被り、紺色のコートを羽織っている若い男であった。私の知人の一人である、名をレンド・シーニス。
 「やっほ、レンドさん。何か面白い事ないかしら。」
 私は、ヒラヒラと手を振り、やる気のない声で答える。レンドは苦笑すると、隣に腰掛けた。
「相変わらずだなぁ。怪しい依頼でもないかとか、思ってたんだろ。」
「あはは・・・。」
 分かりやすいらしい。私は乾いた笑いをした。
「んー、そうだなぁ・・・。」
 帽子を少し上げ、顎に手をやり考えている。しばらくして、何かを思いついたらしく、あぁと呟く。
「ん、何かあるの?」
 急に元気になった私を見て、クスクスと笑っている。
「いや、ほら前に異国の剣を持つ男の噂をしただろ?」
「あー、あの剣で銃弾弾きながら敵を倒すって話ね。」
 私は少しガッカリした。当初は盛り上がったのだが、それ以降なんの話もでなく、結局はただの噂なのだろう。冷静に考えて、剣で銃弾を弾くなんて技を、人間ができるはずないと答えに至った。
「それで、その男の話なんだが。2週間前くらいか、ライアドとルイーを繋ぐ街道があるだろ。そこを拠点にしてた盗賊がいたんだが。」
「あぁ、確かそんな情報もあったわねぇ。」
「それの討伐依頼がライアドで出ていて、受けた2人がいるんだが。どうもそのうちの1人が、その異国の男だったらしい。」
「へぇ、でも異国の男ってだけで、あの噂の男じゃなかったんでしょ?」
 私は興味なさそうに返事をした。
「いや、それが本物だったらしいぞ。ちょうどその街道の森の奥に薬草採取の依頼を受けた奴がいたんだが、盗賊のアジドらしきところで、銃撃戦をやっているのに遭遇したらしい。」
 空を見上げながら、話半分で聞いていた私は一瞬止まり、レンドに体を乗り出した
「そ、それで?」
「落ち着けって、噂・・・本当だったらしい。」
 あの噂が本当・・・?
「剣を持って、あっという間に2人を切り倒したらしい。そして、盗賊の頭らしき奴に銃で撃たれたんだが・・・剣を一振りして、何事もなかったように近づいて斬った・・・っていう話さ。」
  信じられないといった感じで口笛をピュウッと吹く。私は今目をキラキラさせているだろう。急に興奮してきた。これなのよ、私が待っていたのはっ!そんな私の様子を見て、男は苦笑する。
「これからライアドまでの依頼を受けてるんだが、ついてくるか?」
 レンドは返事を待たずに立ち上がり、宿の方に向かって歩き出す。後ろから、少女の元気な声が聞こえる。
「もちろんっ!」

 スキップをしながら、準備に行く少女。
 それを見て、ケラケラ笑う帽子の男。
 今日もこの広場は、賑わっていた。


 -To be continued-


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